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人間破壊の「監理措置制度」反対!
入管は今すぐ監理措置制度を停止し、
仮放免制度によって被収容者を解放せよ。

2024年10月31日
入管の民族差別・人権侵害と闘う全国市民連合

 今年6月より改悪入管法が施行され、新設された監理措置制度の運用が始まっています。監理措置制度は支援者や当事者家族等の民間人を入管の手先として、非正規滞在外国人を四六時中監視させ、その動静を入管に報告させるという非人道的な制度であり、我々はこの制度の運用が開始される以前から、監理措置制度は当事者と支援者の間に猜疑心と不信感を植え付け、人間関係を破壊する悪質な制度であるとして、導入反対を訴えてきました。(参考:2023年12月10日「人間破壊の「監理措置制度」導入反対と入管への要請」入管闘争全国市民連合)

 2021年以降のウィシュマさん死亡事件をきっかけに立ち上がった学生市民の闘いによって、現在、改悪入管法そのものの実質的な執行において、入管行政は行き詰っています。とりわけ、民間人を入管の手先として、非正規滞在外国人を監視させる非人道的な監理措置制度を施行しようとしても、監理人のなり手がなく、制度の運用が進んでいない状況にあります。そのような中で、入管は被収容者に対して「監理措置制度であれば早く出られる」、「仮放免制度はこれからほとんど出られなくなる」など、制度についての不正確な説明の下で監理措置申請を促したり、「監理人を見つける」ことを条件にして仮放免を許可する等、監理措置制度の執行に躍起になっています。被収容者の家族や友人が、監理措置制度を利用することに不安を持ちながらも 当事者を収容から解きたい思いで監理措置制度を利用せざるをえない、という理不尽な葛藤に悩まされています。

 そもそもなぜ入管は監理措置制度を新設したのでしょうか?この制度は、入管が「送還忌避者」と呼ぶ帰国できない事情のある非正規滞在者たちを徹底的に管理することを目的としたものです。監理措置制度は、いわゆる「送還忌避者」を徹底して管理したうえで、無理やりに強制送還するための制度です。入管権力の下で民間人をその手先として報告義務を負わせ、確実に監視・監理し、併せて送還計画を立て、確実に送還を執行するための、入管の方針に組み込まれた制度であるということを私たちは認識しておかなければなりません。

 過去、日本は、アジア諸国の人々に対して残虐な侵略戦争と植民地支配を行い、内地においても、植民地出身者を差別し、管理・抑圧してきた歴史があります。監理措置制度は、監理人と被監理者の間に支配―被支配の関係を作り、国家権力をバックに監理人が被監理者を支配するというものです。日本政府が、過去の日本の侵略戦争と植民地支配の責任を、歴史的原罪として受け止めているのであれば、改悪入管法の立法化はあり得なかったはずです。
 
 私たちは、この極めて悪質な監理措置制度を決して許すことはできません。入管は監理措置制度の運用を即刻停止し、今まで通り仮放免制度によって被収容者を収容から解放すべきです。

 「入管の民族差別、人権侵害と闘う全国市民連合」は、過去、日本がおこなったアジアに対する侵略戦争と植民地支配、そして民族差別と人権侵害の歴史を決して忘れず、外国人を敵視し排除するという社会排外主義を押し進めることにつながる改悪入管法とその下の制度である監理措置制度に断固として反対します。日本社会に住む学生、市民、労働者のみなさんが、入管の民族差別と人権侵害により痛みを受ける当事者とともに声をあげることを心から呼びかけます。

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